もっと気軽にクラシックを 埼玉ブルース第三十一回

誰が言ったか知らないが、訪ねてみれば確かに感じる魅力のご当地をさすらう「埼玉ブルース」。
新年明けましておめでとうございます。今年も「埼玉ブルース」をよろしくお願い致します。
……と、もはや食傷気味のご挨拶を申し上げたはいいものの、まだまだここでお伝えすべき
埼玉の隠れた魅力をぶっちゃけ切れていないじゃないか!

ということで、

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今回降り立ったのは、JR埼京線の戸田駅

この取材敢行日は、まだ記憶にも新しい昨年末。年明けまで指折り
数えるばかりとなったこの日、そんな季節柄にちなんだ名曲を拝聴できると聞いて、
戸田市民にとっての憩いの場である戸田市文化会館にお邪魔して来ました。

実は、市民交響楽団数/合唱団ともに、全国でも屈指の所有数を誇る我らが埼玉県。
ここ戸田市では、年4回に亘ってサロン・コンサートが開催され、
市内に拠点を置くグループが様々な音色を奏でてくれるのだそう。

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そんな出演者のうちの一組である響友会合唱団も、ここ戸田市を中心に活動している
音楽好きによる集まりのひとつ。この前週に定期演奏会を終えたばかりであるにも関わらず、
戸田市への貢献のために一肌脱いでくれているという男前にも程がある皆さん。

「いい歌声はいい肉体にこそ宿る」とばかりに、その練習はまずストレッチから始まります。

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ほどよく体もほぐれたところで、ここからはいよいよ本番に向けての声慣らしへ。

今回の演目は、主に冬に関する25をオリジナル編曲のメドレーにしてお届けするという、
まさにボリューム満点な内容。お料理で言ったら、お皿からこぼれちゃってます。

それだけに、歌い手側も気合は充分! まだ練習の段階から、
既に圧倒されてあまりあるほどの意気込みがひしひし伝わります。

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その曲目は、古くはダークダックスにはじまり、最後は「これを聴かなきゃ終われない!」
というご要望にお答えしての(?)第九と、滝廉太郎作曲による童謡「お正月」
クラシックはもちろんのこと、フォークからポップス、果ては演歌に至るまでの
幅広い選曲を通じて物語が織り成されます

しかしながら、ノリノリのアップ・テンポからしっとりとしたバラードまでを歌いこなすのは至難の業。それを裏付けるかのように、楽譜は難解そうな音符の羅列でいっぱいです。

この四声体が一斉に奏でられて、美しいハーモニーが聴けるかと思うと、
今から本番が待ちきれません!

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今日で第59回目を数えるサロン・コンサートのはじまりは、
もっと気軽にクラシックをというひとつの思いから。

「ついつい敷居が高くなりがちな音楽を、より身近に感じてもらいたい」。
戸田交響楽団ならびに響友会合唱団の音楽監督を務める笹﨑榮一さんが投じた一石は、
いまや多数の賛同者となって、たくさんの聴衆を楽しませています。

とは言え、どんなに立派な理念も、「言うは易く、行うは難し」。
どなたでも聞けるよう門戸を広げた無料の演奏会を維持し続けるために、
こまごまとした準備から会場の設営まで(!)、すべて出演者自らが行います。

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実は、このコンサートが執り行われたのは、クリスマス・イブから遡ること三日前
来る一大イベントを控えたこの時期の飾りつけは、どこもかしこも華やかで、
自然と心湧き立つもの。

それは、この特設会場も例外ではなかった模様。ひたすら懸命に頑張る皆さんを、
どうやらサンタさんも応援してくれているようです。

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大がかりな会場の設営をこなしながら、なんと受付の設置やパンフレットの
折り込みまで各々やってのけてしまうのは、これこそがチーム・ワークのなせる業

それぞれが忙しい練習の合間を縫って、

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あっと言う間に仕上げられた完成品が、こちら!

その手先の器用さと敏捷性は、本当に撮影するのに一苦労を強いられてしまったほど。
今年で創設から17年を数えようという響友会さんをはじめ、それぞれに歴史を刻み
続けている出演者同士の阿吽の呼吸は、流石に年季が違います

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まだ誰も居ない会場で、入念な最終確認を行ったあとは……

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ただちに着替えて、いざ晴れの舞台へ!

その歌声と同じく、とっても気さくでノリのよさに定評のある皆さん。
「もっとはっちゃけた感じで!」と無茶なお願いしたところ、こんな
元気なポーズを返してくださいました。

そもそも響友会さんといえば、その衣裳のこだわりでも知られる
戸田市きってのシャレオツ合唱団(※筆者調べ)。

ともあれ、今回は一年感の締めくくりとあってか、やや厳粛なモノトーンの装いです。
その胸元を飾るのは、このクリスマス・シーズン
ふさわしくかたどられた深紅のポインセチア。

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ちなみに、こちらのコサージュも団員の方による手作りだというからビックリ。

たくさんの人々の手を介しておもてなしの妙が凝らされ、何人もの熱意によって
作られるこのコンサート。こうした小さなところにも気遣いが徹底されている様には、
まさに「ここならでは」といったオツな趣きが宿ります。

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その熱意に負けじと駆け付けたお客様をして、既に会場は満員状態!

まだ開演前にもかかわらず着席して、いまかと演奏の開始を待っている様子。
あふれ返る期待の孕む熱気には、この日も猛威を揮っていた
大将軍も真っ青だったに違いありません。

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そうしてつつがなくはじまったコンサートは、その期待を
裏切らない素晴らしい演目が目白押し。

こうした木管合奏をはじめ、様々な楽器の音色に触れられるというのも、
こちらのコンサートの醍醐味のひとつ。普段がとっつきにくいと言われるだけに
目の前で奏でられるバッハやブラームス耳を傾けられるのは大変嬉しいことですよね。

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そして、いよいよ待ちに待った響友会さんの出番が!

この日、唯一の合唱団として登場した皆さん。その歌声は晴れやかで、
聞き入る誰しもの心を和ませずにはいないほど。老若男女に親しみのある選曲に、
お客様も目を見張ったり聞き入ったりと、大変満足そうでした。

今年もサロン・コンサートや定期演奏会を通じて、多様な活動を続ける響友会合唱団
いつまでも美しいハーモニーをお届けくださいますように、市外に住む一ファン
としてこっそりよろしくお願い申し上げます。

【今回取材させて頂いた戸田市文化会館】

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