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埼玉ブルース第七回

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埼玉ブルース第七回

誰が言ったか知らないが、訪ねてみれば確かに感じる魅力のご当地をさすらう「埼玉ブルース」
今回は、はじめてこの地でお煎餅が作られたことを記念して作られたというお煎餅発祥の地碑を訪ねに、
埼玉県で唯一にして全国で無二お煎餅の聖地こと草加市へお邪魔して来ました!

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はじめて降り立つ草加駅。歴史を誇る名物と、何よりもその字面からもっと鄙びた空気を期待していましたが、
なかなかどうして栄えています。

今から二年前に東京スカイツリーの開業を受けて、路線の一部が「東武スカイツリーライン」
と呼ばれるようになってから乗降者数は右肩上がりんだとか。

そう言えば、いつになく駅前にはお若い方が多かったような気がします。
確かに天下のスカイツリーだもんなあ。

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「お煎餅と言えば草加、草加と言えばお煎餅」という連想が不可避なほど密接に関わり合う両者ですが、駅周辺にはそんな馴れ合いを感じさせる空気は粉微塵もありません。その代わりと言うにはあまりにも相応しくないものの、この駅前、やたらとオブジェが多い

あれ。最近こんなポーズを取った県議がクビになっていたような……

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お煎餅屋さんばかりの田舎を想像していた筆者の予想を裏切るように栄えていた草加駅前。
しかし、この辺りのメイン・ストリートまで出て来ると、本当に三歩歩くごとにお煎餅の匂いに行き当たります。
大袈裟じゃなく、お煎餅屋お米屋問屋(※以下ループ)って言うくらいの。

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そもそも草加せんべいのはじまりは、お団子の売り子をしていたおせんさんと仰るたった
一人の女性の偶さかなひらめきによるもの。

そこへ訪れる旅客を相手に売っていたお団子の売れ残りが勿体ないので薄く延ばして焼いた
ところ、それがたちまちに大ヒット!
いつしかこの地の代名詞となる名物となっていたのだそう。

現代でこそ「たった一人の主婦による発明で~」という謳い文句がありますが、
それが江戸時代くんだりから存在したということの方が純粋に驚きです。

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歴史を感じさせる趣きのおせん茶屋の裏には、こうした景勝地には欠かせない投句箱も。

折角なので、ここで筆者からも一句。「お煎餅食べるも躊躇う猛暑かな」
ちなみに、この日の埼玉県南部の気温は33でした……。お後がよろしいようで。

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それからまた少し歩くと、さらに新しい投句箱が随分しつこく投句を勧めて来ると思ったら、

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ここがかの俳人・松雄芭蕉が奥州へ向かう道すがらに立ち寄った場所であるらしいと気付いたのは、
すぐ側に設置してある地碑を目にしてからのこと。

その道中の様子は、「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也」という序文で
お馴染みの名著『奥の細道』に描かれている通りです。

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件の名著で俳聖とともに旅をしたことで知られる河合曾良は、現代では最も有名な弟子として知られている――
が、しかし、何故こんなポーズをよりにもよって捉えたのか

この角度から見ると、お笑いコンビのツッコミの方にしか見えません。

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「あれ? じゃあ、肝心の松雄芭蕉は何処に?」

そう思って探すも見当たらず、仕方なく歩を進めると、結局道を挟んで200メートルほどの場所にいらっしゃいました。

この旅をはじめた時、芭蕉翁は御齢46だったそうな。今でこそ40代ってお若いですが、この頃はこんなにお爺さん
なのか。はたまた伊賀上野からこの草加に来るまでの間に一気に老けてしまわれたのでしょうか……

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二人並べれば、それこそお笑いコンビ;俳☆人☆ズに見えるかとも思ったのですが……うーん、
なんだか芭蕉先生のノリが悪くてイマイチ。かつて『奥の細道』を読んだ際には、どちらかと言えば芭蕉の勢い
に曾良が引いちゃってる感じ
でしたけども、それから三百と余年の時を経て今。なかなかうまく行かないものです。

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お二人が泊まった草加宿の面影を今に残す望楼があったので、

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早速登ってみることに。

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あまり明治以前にはイメージの薄い螺旋階段を上がって行くと、草加市街を一望することが出来ます。

かつてこの草加の地は沼地が広がるばかりだったそうで、こんなに近代的な建物が居並ぶ時代の到来を芭蕉ですら
思わなかったに違いない。

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そんなこんなで寄り道を繰り返しつつ、たどり着いた記念碑がこちら。なんだか年季が入り過ぎてよく分からないことになっていますが、しっかりと「草加せんべい発祥の地碑」と書いてあります。

さっきまであれだけお煎餅まみれだった周辺とは裏腹に、この公園内には嘘のようにお煎餅の要素がなく、
ちょっと肩透かしを食らってしまった。

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折角ここまで来たのだからお煎餅を食べようと思い立ち、つとにおいしいお煎餅屋さんを伺うと、
なんとそこがお煎餅屋さんでした

これまたオブジェ、しかもお煎餅を食べている女の子のオブジェが居たので、
早速隣に座って食べてみましたが……確かに、おいしいには違いない。しかし、この炎天下
もし出来ることなら、もう少し優しい環境で食べたかった。